病気を抱える受験生と、そのご家族へ
もし体調の不安から、進路に迷われているようでしたら…
是非、お伝えしておきたい事があります。
中2で脳脊髄液減少症を発症した息子の高校受験は、ちょうど1年前でした。
息子は起立性調節障害も合併しているので、朝も起きられなくなっており、中学校へも、ほとんど行けない日々を送っていました。
しかし息子は、体調が悪いなりに志望校を受験しようと頑張りました。
当時は、脳脊髄液減少症の1回目の治療を終え、ゆっくりと体調が回復する事を期待している状況でした。
つまり「体調不安を抱えつつ、希望的観測の元に何校か受験した」わけです。
今にして思うと、息子は無理を重ねていたんだろうな…と思いますが、その時点では諦めきれなかったんですよね。息子も私も。
事前に志望校へ配慮申請を提出し、保健室や別室での受験をお願いしたり、息子の受験中、私も学校で待機して、体調不良の際にはいつでも対応できるようにさせてもらったりしました。
しかし、息子の頑張りに反して、結果は残念なものとなりました。
受験はしましたが、実際には机に向かって1時間試験を受けるのすら、大変な状況だったのです。
事前に別室受験を申請していたお陰で、3教科+面接というスケジュールの学校では、一応一通りの試験は受けられました。
でも…面接のときに「4月から通えますか?」という質問をされ、息子は「夏くらいには通えるようになると思います」と、自分の体調を予測して答えたそうですが、学校側としては不安要素の強い生徒は受け入れたくなかったんだと思います。
学科試験はかなりの手応えがあったのに、結果的に不合格となってしまい、息子はショックを受けていました。
そして第1志望校は、5教科+面接というスケジュールでした。
息子は4時間目までは、なんとか頑張りましたが、いつもと違う症状が出始めてしまい、やむなくリタイアとなりました。
面接は次の日だったのですが、まるまる1教科受験できていないので、仮に翌日も頑張って早起きして面接に行っても、合格するのは到底無理だと判断し、辞退する事にしました。
これまでの経緯を読んで「そこまで無理して受験しなくても…」と思われる方も、きっといらっしゃるんじゃないかと思います。
でも、あのとき、息子自身はチャレンジしたかったのに、もしチャレンジをしていなかったなら…息子はすごく後悔したと思います。
そして場合によっては、後々まで後悔の念を引きずったかもしれません。
結果としては受験してもしなくても変わらない状況となりましたが、息子としては「やるだけやった」からこそ、不本意ながらも「自分は、体調不良で全日制高校に通える状況ではない」と受け入れる事がなんとかでき、先に進めたんだと思います。
息子が病気になり、学校に全く通えなくなってしまってからというもの、私は息子の進路について、ずっと考えていました。
そして色々と調べるうちに、全日制高校が難しい場合には「通信制高校」を選択肢として考えるべきだと思うようになりました。
しかし始めのうち、息子は通信制高校をすごく嫌がっていました。
友達と同じように「普通の」全日制高校に通いたいと、息子は言っていました。
今までずっと友達と同じ道を進めると思っていただろうし、それが叶わないと認めたくなかったんだと思います。
私自身も、息子と全く同じ気持ちでした。
そのため、心のどこかで全日制高校へ息子が通うのは難しいのではないかと思いつつ、無理に息子の気持ちを変えさせる事はしませんでした。
できる限り、息子がやりたいと思う事を応援して、私ができる協力は惜しまずするつもりでした。志望校に受かった場合は、必要なら毎日送迎するくらいのつもりでいたのです。
しかし残念ながら、息子の願いは叶いませんでした…
なんだかんだ言っても「息子の進路」なので、親の意見だけで決めるべきではないし、無理に親が決めてしまったら、進学してからも不満が残るのではないかという心配もありました。
進路を最終的にどうするかは、息子に決めさせました。
私が集めた情報を色々と話して聞かせた上で、「アドバイスはするけど、最後に決めるのは息子だよ」と何度も言い聞かせ、息子に結論を出させました。
実は、息子が通信制高校に合格した時点では、まだ受験の予定がありました。
しかし、全日制高校に通える体調ではなかったので、息子は「通信制高校へ行く」と決め、その時点で息子の長い受験期間は終わりを迎える事となったのです。
そんな経験があったからこそ、一年経った今、通信制高校で息子なりに頑張れているんだと思います。
もしあのとき、私が無理に「全日制高校は無理だから、通信制高校へ行きなさい」と息子の進路を勝手に決めていたら…きっと息子は、事あるごとに「あのときお母さんが勝手に決めたんでしょ」と、やる気をなくしていたかもしれません。
今も体調が万全ではない中で、スクーリングや試験を受けているので、余計にそう思います。
自分で決めたからこそ、納得して頑張れているんだと思います。
通信制高校と言っても、最低限の登校日数で済むコースもあれば、全日制高校と同じように週5日制のコースもあります。
息子の場合は、その中間くらいのコースですが、元気になればもっと通いたいと考えています。
病気を抱える受験生のご両親に、どうかお願いしたいと思います。
高校が人生のゴールではありません。
どうか、お子さんの気持ちを1番大切にして、できるだけ本人に進路を決めさせてあげてくださいね。
そして万が一、全日制高校に入学したけれど、ダメだった…という場合には、転校という方法もあるので、その点では心配しないでください。
通信制高校は、学校やコースにもよりますが、転入してくる子も多く、年度の途中でも受け入れている学校も多いようです。
通信制高校について少し説明しておくと、今の時代は様々なコースが用意されています。
学校によって、留学ができたり、専門的な知識(美容・プログラミングなどなど…)が身についたり、全日制の普通科にはない魅力があります。
働きながら勉強したい子や、スポーツ選手や芸能人のように他にやりたい事があって時間が作りたいなんて子もいます。
そして最近は、体調不良だから通信制高校にしたという子も結構多いそうです。
このように、様々な事情を抱えた子が多い学校だからこそ、あれこれ聞かれないという居心地の良さもあるように感じます。
また、学校によっては大学受験を目指すコースもあるので、高校生の間に体調を整えて、大学受験を目指すという事も可能なのです。
最後になりましたが…
体調不良での進路選択は本当に大変ですが、お子さんにとって最良の選択ができるように祈っています。
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